2013年12月9日月曜日

おかげさまでTouch Meは無事に終了
本当に本当に有難うございました
嬉しいツアーになりました
その最終公演「Touch Me トーキョー」の会場リキッドルームに
鎮座していたドアの無いクルマについて書こうと思います
何故なら乗ってみて今まで感じたことの無い感覚を味わったからです

そのクルマはメアリと呼ばれています
Méhariです
メハリじゃなくてメアリです
フランス語はHは発音しませんので

おフランスで1968年から販売されたシトロエンの変わり種です
屋根は無くてボディはぜーんぶ樹脂です
テールゲートだけは木です


この顔つきは初期だけのものでたぶん2年間くらいしか
生産されていないはず
1番好きな顔だな


幌のゴムの掛け方が可愛らし
ウインカーはサイドにボンとついてます
後ろにはついてません


ボンネットは皮のベルトで固定


マフラーは左サイドから
だからか左後輪だけ他のより汚れるのが早いんだよな



ボディにはたくさんの凹凸が
これで樹脂のボディに剛性を持たせているんでしょう
小さなくぼみは幌をかけるときのステップでしょうね



スペアタイヤは車内に
グレーのハンドルは初期型だけの特徴だそうです





写真だと幌がかかっていますがこれは全部取れます
フロントガラスもボンネットの方に倒れるしサイドの白い柱もとれる
するってえとまさにボートのような状態になります
そんな感じで乗ってみたいな

このクルマは見た目と違って乗り心地がとてもソフトで
走りはとても軽やかです
決して速くはないけど

屋根の開くクルマには他にも乗ったことはありますが
このクルマは本当に独特な印象で
クルマでもバイクでもボートでもない
という奇跡的な乗り物なんじゃないかと思いました
独特の機構のバネの動き方を感じながら走っていると
エンジンや足回りのたてる音が風と一緒に車内に入り込んで来て
不思議な空気の中で運転することになるわけです
最近のクルマは要塞みたいでしょ
こいつは真逆で最低限のものしかありません
でも十分事足りる


寒いときに屋根を開けて走っている人を見るとどう思うでしょうか
ケッタイやなあ寒そうやなとか物好きやなあ
とか思いますよね普通
けどねなかなか良いものですよ
例えて言うなら
加賀友禅とかの反物を川に拡げて糊を落とす作業
あるいは郡上八幡の鯉のぼりの寒ざらし
糊を落として生地を引き締め色を鮮やかにする

冷たい川にさらされて余計なものを落として本来の姿を手に入れる

これと同じような感じがするんです
冷たい風のなかずーっと走っていると
清冽な川の水にさらされている反物や鯉のぼりの気分
だんだん自分が透き通っていくような気分になります

嫌なことだって忘れられるんだぜ
けどくれぐれも温かくしてくださいね